介護リフォームで助成金・補助金を利用したい場合は、まずケアマネジャー等に相談し、工事を始める前に自治体へ事前申請するのが基本です。介護保険の住宅改修費は、対象工事であっても、先に工事を進めてしまうと支給対象として認められないことがあります。
特に確認したいのは、要支援・要介護認定の有無、対象となる工事内容、見積書や理由書などの必要書類、支払い方法です。この記事では、介護保険制度を利用した住宅改修費の申請方法、支給までの流れ、自治体独自の補助金を確認する際の注意点を解説します。
【本記事の情報は2026年1月時点のものです。最新情報は必ずお住まいの自治体窓口でご確認ください】
介護リフォームで利用できる助成金・補助金の種類
介護リフォームで利用できる主な制度は、介護保険制度による住宅改修費の支給と、自治体独自の補助金制度です。
- 介護保険制度による住宅改修費の支給
要支援・要介護認定を受けている方が、自宅で生活するために必要な住宅改修を行う場合に利用できる制度です。 - 自治体独自の補助金制度
各自治体が独自に設けている補助金制度です。対象となる工事内容、支給額、申請条件は自治体によって異なります。
介護保険制度の支給限度額と自己負担
介護保険の住宅改修費は、支給限度基準額が20万円です。所得に応じて1〜3割が自己負担となるため、支給される金額の上限は負担割合によって異なります。
| 負担割合 | 保険給付の上限額 | 自己負担の目安 |
|---|---|---|
| 1割負担 | 最大18万円 | 最大2万円 |
| 2割負担 | 最大16万円 | 最大4万円 |
| 3割負担 | 最大14万円 | 最大6万円 |
制度の概要は、厚生労働省「介護保険における住宅改修」でも確認できます。
なお、要介護状態区分が3段階以上重くなった場合や転居した場合は、再度20万円までの支給限度基準額が設定される場合があります。該当するかどうかは、事前に自治体の介護保険担当窓口へ確認しましょう。
対象となる工事の種類
介護保険で対象となる住宅改修は、主に以下の6種類です。
- 手すりの取付け
- 段差の解消
- 滑り防止や移動をしやすくするための床材・通路面材料の変更
- 引き戸等への扉の取替え
- 洋式便器等への便器の取替え
- 上記の工事に付帯して必要となる工事
対象工事の詳細は、厚生労働省「福祉用具・住宅改修」で確認できます。
介護保険制度を利用した助成金・補助金の申請方法
介護保険の住宅改修費を利用する場合は、工事着工前の事前申請が原則です。先に工事を始めると、自治体の確認を受けられず、支給対象外になることがあります。
ただし、やむを得ない事情がある場合には、工事完成後の申請が認められるケースもあります。自己判断で進めず、必ず事前に自治体へ相談してください。
申請前に確認すること
- 要支援・要介護認定を受けているか
- 改修する住宅が本人の居住する住宅か
- 工事内容が介護保険の対象工事に当てはまるか
- ケアマネジャー等に理由書を作成してもらえるか
- 工事前の写真や見積書、図面を準備できるか
- 償還払いと受領委任払いのどちらを利用できるか
申請の流れ
- 要支援・要介護認定を受ける
お住まいの自治体の窓口で、要支援または要介護認定の申請を行います。 - ケアマネジャー等に相談する
担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに、介護リフォームの内容を相談します。申請に必要な「住宅改修が必要な理由書」の作成も依頼します。 - 施工業者を選び、見積もりを取る
工事内容が介護保険の対象になるか確認しながら、見積書や図面を準備します。可能であれば複数の業者から見積もりを取り、内容を比較しましょう。 - 工事着工前に事前申請を行う
お住まいの自治体の窓口に、事前申請書類を提出します。自治体が工事内容を確認し、承認後に着工する流れです。 - 承認後に工事を行う
自治体から承認を受けた後、工事に着工します。審査期間は自治体や工事内容によって異なるため、余裕を持って準備しましょう。 - 工事完了後に費用を支払う
償還払いの場合は、いったん工事費用を全額支払い、後から保険給付分が払い戻されます。受領委任払いを利用できる自治体では、自己負担分のみを施工業者に支払う形を選べる場合があります。 - 工事後の支給申請を行う
工事完了後、領収書や改修後の写真などを添えて、自治体に支給申請を行います。 - 審査後に支給される
自治体の審査後、指定口座への振込などにより住宅改修費が支給されます。
事前申請で必要になりやすい書類
必要書類は自治体によって異なりますが、一般的には以下の書類を求められることがあります。
- 介護保険居宅介護(介護予防)住宅改修費支給申請書
- 工事見積書
- 工事内容がわかる図面や完成予定図
- 改修前の写真(日付入り)
- 住宅改修が必要な理由書
- 住宅の所有者の承諾書(本人以外が所有する住宅の場合)
- 介護保険被保険者証
- 介護保険負担割合証
工事完了後の支給申請で必要になりやすい書類
工事完了後は、事前申請どおりに工事が行われたかを自治体が確認します。主に以下の書類を準備します。
- 住宅改修費の支給申請書
- 工事費用の領収書
- 工事費内訳書
- 改修後の写真(日付入り)
- 自治体から指定された確認書類
ポイント:申請書類の名称や提出方法は自治体ごとに異なります。たとえば、名古屋市では償還払い方式と受領委任払い方式で必要書類が分かれています。詳しくは、名古屋市「住宅改修費の支給」など、お住まいの自治体の公式ページを確認してください。
償還払いと受領委任払いの違い
介護保険の住宅改修費では、支払い方法として償還払いと受領委任払いが使われることがあります。
| 支払い方法 | 利用者の支払い | 特徴 |
|---|---|---|
| 償還払い | いったん工事費を全額支払う | 後から保険給付分が払い戻される |
| 受領委任払い | 自己負担分のみ支払う | 保険給付分は自治体から施工業者へ支払われる |
受領委任払いは、自治体によって利用条件や対象事業者が決められている場合があります。利用したい場合は、見積もりを取る前に自治体へ確認しておくと安心です。
助成金・補助金の支給時期
助成金・補助金は、工事完了後に支給申請を行い、自治体の審査を経てから支給されます。支給時期は自治体の締日、審査状況、書類不備の有無によって変わります。
償還払いでは、一時的に工事費用を全額自己負担する必要があります。支給までの期間に備えて、工事費用の支払い時期と手元資金を確認しておきましょう。
自治体独自の補助金制度も確認する
介護保険制度以外にも、各自治体が独自に介護リフォームやバリアフリー改修に関する補助金制度を設けている場合があります。
対象となる工事内容、支給額、所得制限、介護保険との併用可否は自治体によって異なります。お住まいの自治体のホームページを確認するか、介護保険担当窓口に問い合わせてください。
よくある質問(FAQ)
介護リフォームの助成金は工事後でも申請できますか?
原則として、工事着工前の事前申請が必要です。やむを得ない事情がある場合は例外的に認められることもありますが、自己判断で進めず、必ず自治体へ相談してください。
介護保険の住宅改修費はいくらまで支給されますか?
支給限度基準額は20万円です。1割負担の方は最大18万円、2割負担の方は最大16万円、3割負担の方は最大14万円が保険給付の上限になります。
賃貸住宅でも介護リフォームの補助は使えますか?
賃貸住宅でも対象になる場合があります。ただし、住宅の所有者の承諾書が必要になることが多いため、工事前に貸主や管理会社、自治体へ確認しましょう。
受領委任払いは誰でも利用できますか?
受領委任払いの扱いは自治体によって異なります。登録された施工業者に依頼する必要がある自治体もあるため、利用したい場合は事前に自治体へ確認してください。
まとめ
介護リフォームの助成金・補助金制度を利用するには、工事前の相談と事前申請が重要です。まずはケアマネジャー等に相談し、工事内容が介護保険の対象になるかを確認しましょう。
- 介護保険の住宅改修費は、支給限度基準額20万円
- 負担割合により、給付上限は18万円・16万円・14万円に分かれる
- 原則として、工事着工前に自治体への事前申請が必要
- 工事後は領収書、工事費内訳書、改修後写真などを提出する
- 自治体独自の補助金制度もあわせて確認する
不明な点があれば、ケアマネジャーやお住まいの自治体の介護保険担当窓口に相談してください。
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