家の中や玄関まわりの段差は、高齢の方や車椅子を使う方にとって、毎日の移動を難しくする原因になります。階段や数段の段差を日常的に越える必要がある場合は、昇降リフトの設置を検討する価値があります。
ただし、昇降リフトは「設置すれば必ず介護保険や補助金が使える」というものではありません。固定設置する機器、工事を伴う機器、可搬型の福祉用具では制度上の扱いが異なります。まずは、段差の高さ、階段の形状、車椅子の使用有無、介助者の有無を整理し、ケアマネジャー・自治体窓口・専門業者の順に確認するのが現実的です。
この記事では、名古屋市や愛知県内で介護リフォームを検討している方に向けて、昇降リフトの種類、メリット・デメリット、選び方、費用の考え方、介護保険や補助金の確認ポイントを整理します。
昇降リフトとは?
昇降リフトとは、階段や段差を上下に移動するための福祉機器の総称です。椅子に座って階段を移動するもの、車椅子のまま乗れるもの、玄関などの段差を垂直に上げ下げするものなどがあります。
足腰が弱くなった方、車椅子を使う方、介助する家族の負担を減らしたい方にとって、住まいの中の移動範囲を広げる手段になります。一方で、設置スペース、建物の構造、費用、保守点検の有無によって向き不向きがあるため、現地確認を前提に検討することが大切です。
昇降リフトの種類
昇降リフトは、設置場所や使う人の状態によって選ぶ機器が変わります。主な種類は、階段昇降機、段差解消機、可搬型階段昇降機です。
1. 階段昇降機
階段にレールを設置し、椅子や平台を上下させるタイプです。階段の上り下りが難しい方に向いています。
- いす式階段昇降機
階段にレールを設置し、椅子に座った状態で移動します。直線階段か曲線階段か、屋内か屋外かによって機種や費用が変わります。 - 車椅子用階段昇降機
車椅子のまま乗れる平台タイプです。階段幅や踊り場の広さが必要になるため、一般住宅では設置できるかどうかの確認が重要です。
2. 段差解消機
玄関、勝手口、屋外アプローチなどの段差を解消するための機器です。車椅子のまま乗れる平台を垂直方向に上げ下げするタイプが一般的です。
- 垂直型段差解消機
数十cmから一定の高さまで、平台を垂直に昇降させます。玄関ポーチや屋外段差で使われることがあります。 - 斜行型・傾斜型の昇降機
斜め方向に移動するタイプです。設置場所や移動距離によっては、スロープより省スペースで使える場合があります。
3. 可搬型階段昇降機
建物に固定せず、介助者が操作して階段を移動する福祉用具です。使用には操作技術が必要で、利用者や介助者の状況によって向き不向きがあります。
可搬型階段昇降機については、介護保険制度の福祉用具貸与品目として扱われる場合があります。実際に使えるかどうかは、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に確認してください。
種類別の比較表
| 種類 | 向いている場所 | 主な利用者 | 確認したい点 |
|---|---|---|---|
| いす式階段昇降機 | 屋内外の階段 | 歩行はできるが階段が難しい方 | 階段形状、レール設置、乗り降りの安全性 |
| 車椅子用階段昇降機 | 幅に余裕のある階段 | 車椅子を使う方 | 階段幅、踊り場、建物構造、設置可否 |
| 段差解消機 | 玄関、屋外アプローチ、勝手口 | 車椅子を使う方、段差移動が難しい方 | 段差の高さ、設置面、雨対策、電源 |
| 可搬型階段昇降機 | 固定設置が難しい階段 | 介助者がいる方 | 操作できる介助者の有無、安全指導、貸与対象の確認 |
昇降リフトを導入するメリット
- 転倒リスクを減らしやすい
段差や階段でのつまずき、踏み外しの不安を減らせます。 - 移動の負担を軽くできる
階段の上り下りや玄関の出入りがしやすくなります。 - 自宅内での生活範囲を広げやすい
2階の部屋、玄関、庭先など、これまで移動しにくかった場所を使いやすくできます。 - 介助者の身体的な負担を減らせる
抱え上げや階段介助の負担を軽くできる可能性があります。
昇降リフトのデメリット
- 費用が高額になりやすい
機器本体、設置工事、電源工事、保守点検などを含めると、想定より費用がかかる場合があります。 - 設置できない場所もある
階段幅、踊り場、玄関まわりのスペース、建物の強度によっては設置が難しいことがあります。 - 定期的な点検が必要
安全に使い続けるためには、メーカーや施工業者による保守点検の確認が必要です。 - 制度利用には条件がある
介護保険や補助金は、対象者、工事内容、申請時期によって使えるかどうかが変わります。
昇降リフトの選び方
昇降リフトを選ぶときは、機器の価格だけで判断せず、使う人の状態と住まいの条件を合わせて確認しましょう。
- 設置場所と段差の状況
階段の形状、段差の高さ、玄関まわりの広さ、屋内外の違いを確認します。 - 使用者の身体状況
歩行できるか、車椅子を使うか、座位を保てるか、介助者がいるかを整理します。 - 操作性
本人または介助者が無理なく操作できるかを確認します。 - 安全装置
障害物検知、落下防止、非常停止、停電時対応などを確認します。 - 費用と維持管理
本体価格だけでなく、設置工事、撤去費用、保守点検、修理対応まで含めて比較します。 - 制度利用の可否
介護保険、障害者向け制度、市町村独自の補助制度が使えるかを事前に確認します。
費用の考え方
昇降リフトの費用は、機器の種類、設置場所、階段や段差の形状、工事の内容によって大きく変わります。いす式階段昇降機は、直線階段か曲線階段かで費用差が出やすく、屋外設置では防雨対策も必要です。段差解消機も、段差の高さ、設置面の状態、電源工事の有無によって費用が変わります。
目安としては、階段昇降機や段差解消機は数十万円から数百万円まで幅があります。中古品やレンタルを選べる場合もありますが、設置場所に合うか、安全面や保証・保守の条件を必ず確認してください。
| 検討方法 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 新品購入 | 長く使う予定がある、設置場所に合わせて選びたい | 初期費用が高くなりやすい |
| 中古品 | 条件に合う機種が見つかる場合 | 階段形状や保証、部品供給を確認する必要がある |
| レンタル | 使用期間が限られる、まず試したい | 対応機種や地域、設置条件が限られる場合がある |
愛知県・名古屋市の補助金制度について
昇降リフトの費用を抑える方法として、介護保険の住宅改修費、福祉用具貸与、障害者向けの住宅改造補助金、市町村独自の制度を確認します。ただし、制度ごとに対象者や対象工事が異なるため、設置前の相談と事前申請が重要です。
介護保険の住宅改修費給付
介護保険の住宅改修費は、要支援・要介護の認定を受けた方が住む住宅で、小規模な改修を行う場合に利用できる制度です。名古屋市では、利用限度額は要介護度にかかわらず1人あたり20万円までとされ、自己負担割合に応じて9割、8割または7割が支給されます。
名古屋市の住宅改修費の支給では、着工前に区役所または支所へ事前申請が必要です。承認前に工事を始めると支給対象外になる可能性があるため、必ず事前に確認してください。
| 改修の種類 | 主な内容 |
|---|---|
| 手すりの取り付け | 廊下、トイレ、浴室、玄関などへの手すり設置 |
| 段差の解消 | 床の段差解消、スロープの設置など |
| 滑りの防止 | 床材の変更など |
| 扉の取り替え | 開き戸から引き戸などへの変更 |
| 便器の取り替え | 和式便器から洋式便器への変更など |
昇降リフト本体と福祉用具貸与の扱い
厚生労働省の福祉用具・住宅改修では、段差の解消や手すりの設置などの住宅改修と、福祉用具貸与・販売が分けて整理されています。
固定設置する階段昇降機や段差解消機の本体費用が、介護保険の住宅改修費でそのまま支給対象になるとは限りません。一方で、厚生労働大臣が定める福祉用具貸与の種目では、住宅改修を伴わない移動用リフトが福祉用具貸与の対象として示されています。
また、可搬型階段昇降機は、介護保険制度対象の福祉用具貸与品目として扱われる場合があります。ただし、階段上で使う機器のため、操作する人への安全指導や使用条件の確認が必要です。
名古屋市の障害者住宅改造補助金
名古屋市には、障害のある方の住宅環境を改善するための障害者住宅改造補助金があります。住宅の改造に必要な経費について、80万円を限度に助成する制度ですが、介護保険の要支援・要介護認定を受けた方は60万円が限度とされています。
対象者は、身体障害者手帳や愛護手帳、精神障害者保健福祉手帳などの条件に該当する方です。補助金の申請前に訪問相談を受ける必要があり、改造前の申請が必要です。制度の対象になるかどうかは、必ず区役所福祉課または支所区民福祉課に確認してください。
愛知県内・各市町村の制度
愛知県内の市町村では、介護リフォームやバリアフリー改修に関する独自制度が設けられている場合があります。ただし、制度名、対象者、補助上限、対象工事、申請時期は市町村ごとに異なります。
名古屋市以外にお住まいの場合は、「市町村名 介護リフォーム 補助金」「市町村名 階段昇降機 補助金」「市町村名 障害者 住宅改造 補助金」などで調べたうえで、住宅担当課または福祉担当課へ確認してください。
相談前に整理しておきたいチェックリスト
相談前に以下を整理しておくと、ケアマネジャーや専門業者との話が進めやすくなります。
- 段差や階段の場所、高さ、幅、段数
- 本人が歩けるか、車椅子を使うか、座って移動できるか
- 介助者がいるか、介助者が操作できるか
- 屋内設置か屋外設置か
- 賃貸住宅か持ち家か
- 介護保険の要支援・要介護認定の有無
- 障害者手帳などの有無
- 新品・中古・レンタルの希望
- 保守点検や故障時対応を依頼できる業者か
相談先の順番
制度利用を検討する場合は、先に工事を進めず、次の順番で確認するのがおすすめです。
- ケアマネジャーに相談する
介護保険の住宅改修費や福祉用具貸与が使えるかを確認します。 - 自治体窓口に確認する
名古屋市なら区役所福祉課または支所区民福祉課、市外なら各市町村の福祉担当課や住宅担当課に確認します。 - 専門業者に現地調査を依頼する
設置できる機種、工事範囲、費用、保守点検、制度利用の可否を確認します。 - 申請が必要な場合は着工前に手続きする
介護保険や補助金は、工事前の申請が必要なケースがあります。
よくある質問(FAQ)
階段昇降機は介護保険で設置できますか?
固定設置する階段昇降機の本体費用が、介護保険の住宅改修費でそのまま対象になるとは限りません。住宅改修費、福祉用具貸与、市町村独自の補助制度で扱いが異なるため、ケアマネジャーと自治体窓口に確認してください。
可搬型階段昇降機は介護保険の対象になりますか?
可搬型階段昇降機は、介護保険制度の福祉用具貸与品目として扱われる場合があります。ただし、操作する人への安全指導や利用条件の確認が必要です。
中古やレンタルを選んでも大丈夫ですか?
条件に合えば費用を抑えられる場合があります。ただし、階段形状や段差の高さに合うか、保証や保守点検を受けられるかを確認してください。安全に関わる機器のため、価格だけで選ぶのは避けましょう。
まとめ
昇降リフトは、階段や玄関まわりの段差を解消し、自宅での移動を助ける有効な選択肢です。ただし、設置できる機器や費用、介護保険・補助金の扱いは、住まいの状況や本人の身体状況によって変わります。
名古屋市や愛知県内で昇降リフトを検討する場合は、まず段差や階段の状況を整理し、ケアマネジャー、自治体窓口、専門業者に順番に相談しましょう。補助金や介護保険を使う場合は、着工前の申請が必要になることがあります。先に契約や工事を進めず、制度の対象になるかを確認してから進めることが大切です。
施工対応エリア
名古屋市全域
千種区、東区、北区、西区、中村区、中区、昭和区、瑞穂区、熱田区、中川区、港区、南区、守山区、緑区、名東区、天白区
尾張地域
一宮市、春日井市、小牧市、瀬戸市、犬山市、江南市、稲沢市、尾張旭市、岩倉市、豊明市、日進市、清須市、北名古屋市、長久手市、東郷町、豊山町、大口町、扶桑町
三河地域
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